青野賢一のスマホ時代のオーディオ選び｜CREVIA TIMES クレヴィアタイムス

音楽は人の心に響き、感動を与えたり、時には癒しともなる。音楽を聴くという行為自体は変わらないが、音楽を再生するメディアは時代とともに、レコードからカセットテープ、CD、MD、MP３、ハイレゾと多様化し、今はデジタルオーディオプレイヤーやスマートフォンなどで音楽を楽しむことが自然にライフタイルに組み込まれるようになった。いつの時代も「いい音楽といい音」は人の心を震わせる。そこで、今回はデジタルオーディオプレイヤーやスマートフォンを音源として活かし、生活にさらなるゆとりとくつろぎを与えてくれるオーディオの選び方、そして住まいと音の関係について、音楽、そしてオーディオに造詣の深い、BEAMS クリエイティブディレクターの青野賢一氏にレクチャーしていただく。

BEAMS クリエイティブディレクター、BEAMS RECORDS ディレクター。個人のソフト力を主にクライアントワークに活かす「ビームス創造研究所」に所属し、執筆、編集、選曲、展示やイベントの企画運営、大学、専門学校での講師などを通じ、ファッション、音楽、アート、文学を繋ぐ活動を行っている。

BEAMSオフィシャルウェブサイト
beams.co.jp
BEAMS ARTSウェブサイト
arts.beams.co.jp

撮影協力

クレヴィアコート二子玉川　モデルハウス

※掲載のオーディオ機器は撮影の一環で設置されたものであり、既にモデルハウスから撤去されております。また、当物件は完売致しました。

人が集まることの多いリビングルームには、このくらいの広さでも十分な音が出せるものが良いと考え、真空管アンプとトールボーイ型スピーカーの組み合わせとしました。友人や知人を招いたときに音楽をかけたり、集中して音楽を聴きたいときにその実力を感じられると思います。ある程度広いスペースなら、リスニングポイント（スピーカーと聴く人が正三角形となるポジション）を作ることができるので、音像の微妙な配置を楽しめますし、BGM的に聴く際にも部屋全体に心地よく音が満ちてゆきます。今回、リビングには「22（トゥー・トゥー）」のアンプとクリプシュの「RF-52Ⅱ」をセレクト。22のハイブリッドチューブアンプは真空管とデジタルアンプを融合させたハイブリッド構成で、真空管の美しさと機能や操作方法までもデザインの一部として採りいれたモデルです。またクリプシュのスピーカーRF-52Ⅱは、ブランドを代表するシリーズで、独自の技術を採用し、高能率、低歪、フラットな周波数特性、広いダイナミックレンジを実現し、部屋を映画館や劇場のような空間にしてくれます。

アンプ
22［tu; tu;］HYBRID TUBE AMPLIFIER／¥75,600（税込）／使用真空管：6SN7GT　２本／最大出力：12W＋12W（6〜8Ωスピーカー使用時）／寸法（mm）：W265×H103×D151（突起部含む）／重量：約1.6kg

スピーカー
Klipsch Reference RF-52 Ⅱ Black／¥66,744（税込）＊１本／スピーカー・出力：-W　フルレンジドライバー×２／エンクロージャー：／電源：100vコンセント／最大出力：96db／重量：17.5kg／カラー：ブラック

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ビームスレコーズ（03-3746-0789）
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ゆったりとしたリビングで過ごす寛ぎの時間は、精神的な豊かさの象徴。そうしたときに相応しいのは、美しいピアノの響きではないでしょうか。真空管アンプと大型スピーカーの組み合わせが、温かで親密な空気を生み出します。

Memory 6 / Quentin Sirjacq
（アルバム『Piano Memories』）

エスターテ / 中島ノブユキ
（アルバム『カンチェラーレ』）

Detour Ahead / Bill Evans Trio
（アルバム『Waltz for Debby』））

When It Rains / Brad Mehldau
（アルバム『Largo』）

At Home / Misha Alperin
（アルバム『At Home』）

基本的にオーディオの選択基準となるのは部屋のサイズ感です。5〜6畳ほどのコンパクトな書斎であれば、大きなサウンドシステムよりもコンパクトなもののほうがマッチします。趣味の部屋あるいは仕事部屋といったパーソナルな要素の強い書斎で、誰にも邪魔をされずに自分の好きな音楽を聴き、その世界に浸ったり、集中力を高めたいというイメージから、コンパクトながらも性能の高いモデルを選びました。写真ではデスク上に配置しましたが、ブックシェルフやサイドテーブルに置いても邪魔にならないデザインとサイズ感です。このモデルはクリプシュの「KMC１」というモデルで、コンパクトながらも重低音とブレのない澄んだ音質が魅力の一台です。Blutoothにも対応しており、充電可能なリチウムイオンバッテリーを搭載しているので、アダプターなしでも約16時間の利用が可能です。

スピーカー
Klipsch KMC 1／¥33,264（税込）／スピーカー・出力：10W（6.4cm）　フルレンジスピーカー×２／／エンクロージャー：バッシブラジエーター型（7.6cm）バスラジエーター×２／入力：Bluetooth、3.5mmステレオミニジャック／電源：100vコンセント/リチウムイオンバッテリー／最大出力：102db／重量：1.56kg／カラー：ホワイト・ブラック

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誰にも邪魔されることなく自分の時間を過ごすことが出来る書斎では、例えば若い頃によく聴いた90年代の曲を思い切りわがままに音楽を楽しんでみては。〈Klipsch〉の「KMC 1」が、小型ながらもパワフルな音像を届けてくれます。

Where It's At / Beck
（アルバム『Odelay』）

Nautilus (Mawtilus) / Nuyorican Soul
（アルバム『Nuyorican Soul』）

Runnin' / The Pharcyde
（アルバム『Labcabincalifornia』））

Venus As a Boy / Björk
（アルバム『Debut』）

It Ain't Over 'Til It's Over / Lenny Kravitz
（アルバム『Mama Said』）

当たり前ですがベッドルームは寝るためのスペース。寝るまでのわずかな時間、リラックスをするときのBGMとして控えめな音量で音楽を楽しむということを主眼に、コンパクトでシンプルなものを選びました。ごちゃごちゃした配線がいらないというのもポイントです。カラーは部屋の落ち着いた雰囲気にも合う、清潔感のあるホワイト。オーディオ選びもインテリアとのバランスを考えることが重要です。クリプシュの「GiG」は、迫力ある低域とフラットで歪みのない澄んだ中高域が特徴のモデルで、小音量のときにもバランスのよい音です。Blutoothに対応し、NFCも搭載しているので、対応機器をスピーカー本体にかざすだけで認証をおこなうことができます。また軽量なので出張先や旅行先などにも持ち運べて便利です。

スピーカー
Klipsch GiG／¥21,384（税込）／スピーカー・出力：5W（2.5cm）　フルレンジドライバー×２／エンクロージャー：バッシブラジエーター型（5.1cm）バスラジエーター／入力：Bluetooth、3.5mmステレオミニジャック／電源：100vコンセント/リチウムイオンバッテリー内蔵／最大出力：96db／重量：600g／カラー：ホワイト・ブラック

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眠りに就く前のリラックスタイムは、心穏やかにしてくれるアンビエント・ミュージックを。いつの間にか寝てしまっているのが理想です。ポータブルスピーカー「GiG」はバランスもよく小音量でも音楽のニュアンスを楽しむことができます。

glow / Fennesz + Sakamoto
（アルバム『cendre』）

Lux 4 / Brian Eno
（アルバム『Lux』）

#3 / Aphex Twin（アルバム『Selected Ambient Works, Vol.Ⅱ』）

Alva Noto.z1 : For John Cage / Alva Noto（アルバム『For』）

Landebahn / Moebius ＆ Plank
（アルバム『Rastakraut Pasta』）

以前は音楽を家の様々な場所で聴こうとするとレコード、CD、カセットとプレーヤー＆デッキなど、その場所に音源と機器を持って行かなくてはならず、色々と面倒だったと思います。それが現在は、音源がデータ化されて持ち運びが便利になったり、持ち運びすら不要になった。それに対応するスマートなオーディオ機器も登場したことで、音楽を聴くスペースの自由度が格段に高くなりました。データ音源を収めたスマートフォンやデジタルオーディオプレイヤーなどは、音楽を外に持ち出すときに使用するのがポピュラーですが、家の中でも、部屋や目的に合わせたオーディオシステムを作り、データ音源を活用することで、より幅広い音楽体験が可能になります。同じ音源をアンプと高品質のスピーカーを使用して大勢の人と楽しんだり、パーソナルなスピーカーで自分だけの音楽空間を作ったり、寝る前にリラックスするBGMを聴いたりと、使い分けることが、デジタル世代の上手なオーディオの取り入れ方、音楽との暮らし方だと考えます。また女性や配線が苦手な人にとっても、Blutoothに対応したオーディオなどが登場したことで、手軽にいい音を聴ける便利な時代になってきました。今回のセレクトを参考にしていただき、後は自分がその空間でどのように音楽を聴きたいのか、楽しみたいのかをイメージして、自分にとって最良なオーディオを見つけてください。